マラソンやトレイルランニングをしている最中、突然エネルギーが尽きてしまい、体が動かなくなる現象を「ハンガーノック」と呼びます。これは、体内のグリコーゲン(炭水化物から生成されるエネルギー源)が不足し、脳や筋肉へのエネルギー供給が追いつかなくなる状態です。ハンガーノックに陥ると、身体的にも精神的にもパフォーマンスが急激に低下し、走るどころか、歩くことすら困難になる場合があります。
ハンガーノックの原因
ハンガーノックの主な原因は、長時間の激しい運動によってエネルギーの消費が補給を上回ることです。通常、人の体には約2000キロカロリー分のグリコーゲンが肝臓や筋肉に蓄えられていますが、マラソンやトレイルランニングのように長時間にわたる高強度の運動では、このエネルギーが比較的早く消費されてしまいます。特に3時間以上の運動になると、体が脂肪燃焼に切り替わる前にエネルギー不足が深刻化し、ハンガーノックが発生しやすくなります。
加えて、トレイルランニングは通常のマラソンと異なり、アップダウンが多く、不整地を走るため、エネルギー消費がより激しくなることが特徴です。そのため、トレイルランナーは、特にエネルギー補給に気を使う必要があります。
ハンガーノックの症状
ハンガーノックの初期症状は、急激な疲労感、集中力の低下、手足のしびれや震え、イライラ感などです。さらに進行すると、体が動かなくなり、最終的には意識を失う危険性もあります。これらの症状が現れた場合は、すぐに対策を講じることが重要です。
ハンガーノックを防ぐための対策
ハンガーノックを防ぐためには、適切なエネルギー補給が欠かせません。特にマラソンやトレイルランニングのような長時間の運動では、スタート前からの栄養管理が鍵となります。
まず、走る前には、炭水化物を中心とした食事を摂取し、体内に十分なグリコーゲンを蓄えておくことが重要です。レース前の数日間に炭水化物を多めに摂る「カーボローディング」も効果的な方法の一つです。
レース中は、こまめなエネルギー補給を心がけることが大切です。特にグリコーゲンが枯渇しやすい90分以上の運動では、エナジージェルやスポーツドリンクなど、すぐに吸収される糖質を積極的に摂取することで、ハンガーノックを予防できます。また、体内の水分やミネラルも失われやすいため、適度な水分補給も忘れないようにしましょう。

ハンガーノックに陥った場合の対処法
もしハンガーノックに陥ってしまった場合は、すぐにエネルギーを補給することが最優先です。糖質が豊富な食品、例えばエナジージェル、スポーツドリンク、キャンディーなどを摂取し、エネルギーを即座に補充することが必要です。また、体を休め、無理に運動を続けないことが重要です。意識を失うリスクがあるため、十分に回復するまで安静にすることが求められます。
まとめ
ハンガーノックは、長時間の運動において誰にでも起こりうる現象ですが、適切な準備とエネルギー補給を行うことで予防可能です。特にマラソンやトレイルランニングのような長距離を走る場合は、事前の栄養管理とレース中のこまめな補給を徹底することで、快適なランニングを楽しむことができます。ハンガーノックを理解し、その対策をしっかりと行うことで、安全で効率的なランニングを目指しましょう。